ユラリトフワリト

ものぐさ狂言回しの雑記帳。

なぜミカンの白いスジを食べなければならないのか。

http://www.flickr.com/photos/16255961@N00/131215442

photo by mattieb

冬は、こたつでミカンが至高である。

我が家にはいま、こたつはないのだけれど、
その寂しさを埋めるように、ダイニングテーブルには大量のミカンがある。

今日も一つ手に取り、皮をむく。
ちぎれないで綺麗にすべてむけると、ちょっとうれしい。
さらにひと手間かけて、白い部分をすべて取り除くと、もっと気分がよろしい。

「ミカンの白いスジには、栄養がつまっているのよ」

どこからか、そんな声が聞こえた。
昔から、よく耳にする蘊蓄(うんちく)だ。


気になって少しばかり調べてみた。

アルベドには食物繊維やビタミンが豊富で、特にビタミンPのうち、みかん由来ポリフェノール「ヘスペリジン」は実よりも身を包む袋や皮、スジに多く含まれ、含有量は袋で実の50倍、スジにはなんと100倍にもなるのだとか!

損してるかも? 捨てずに食べたい「みかん」のアノ部分 | MYLOHAS

アルベド(albedo)というらしい。「白さ」を意味するんだとか。
albinoやalbumあたりと同じ語源のようだ。

果肉に養分を運ぶのが、その役割。
人間の身体でいう血管のようなものらしい。
養分の通り道なのに、果肉本体よりもビタミン含有量が多い、というのが面白い。
運ぶ途中で大半を落としてしまったのだろうか。おっちょこちょいなヤツだ。


話は変わるが、
中国には『同物同治』という言葉がある。

これは体の中の不調な部分を治すには、調子の悪い場所と同じものを食べるのがいい、という考え方。

「同物同治」(どうぶつどうち)とは - コトバンク

肝臓が悪いときはレバーを、
心臓が悪いときはハツを、
アタマが悪いとお悩みの御仁は、カシラを……とはならないが、
日本でも昔から知られている考え方だ。

ここでふたたび、話を戻す。

アルベドに含まれるヘスペリジンの主な効能は──なんと「毛細血管の強化」だ。

植物の「血管」を食べることで、自らの血管を改善する。
同物同治の懐深さに、驚きを禁じ得ない。


──テーブルの上を見やる。

そこには山盛りのアルベド様が、オレンジ色の台座に鎮座ましましている。

ゆっくりと手を合わせ、おもむろにまとめて口に放る。
口の中になんともいえないほろ苦さがじんわりと広がり、自然と顔がゆがむ。

これこそ薬の証、と、僕は新しいミカンにそっと手を伸ばした。


おまけ

ちなみに、「アルベド」で画像検索してみると、
同名のアニメキャラの個性的な表情がずらりと並ぶ。

実にイカした顔だ。
どれだけのアルベドを口にすれば、このような表情を浮かべられるのだろうか。
こんな顔をした現実の女性がいたら、ぜひ会ってみたい。

……いや、やっぱり遠くから眺めるだけでいいかな。
僕にはちと、荷が重いや。